私がリングを眺めていると龍臣がひょいっとリングを取った



「左手」



一言だけ言った龍臣



私が左手を差し出すとそっと手を重ねて薬指にリングを通した



私はずっとその光景を見ていた。一生、忘れないように…





「ありがとう。嬉しいよぉ」



私は嬉しくて涙を流した



龍臣は私の涙を拭いながら



「良かったぁ。俺、断られたらどうしようとか考えてたし」



龍臣はホッとした顔をしていた