あの事件以来、要と自分は進みすぎたみたいだ。

キスなんて、皆してくるけど…
何故か、拒まなかった。

いや、拒めなかった。

「南」

「ん?」

ちらっと要を見たら笑顔で自分の手を引っ張った。

…大きいよね。男の手って。
今頃気づいたんだよね。

「どした?」

「いや。それより帰ろう」

今日は、要のバイクで帰ることに。
だんだんと?バイクに乗るのも悪くはないと思えてきたしね。

「南、また明日なぁ」
「うん。またね」

手を振って要を見送る。
また大きな手で振り返してくれる。

背中も大きい。
手も大きい。
足も長い。
大人びてる。

妙に、反応してしまう自分がいる。

おかしいな。