優しく優しく…傷口に触れないように…
「…先生ありがとう…」

先生にお礼を言った。先生のおかげ…

「いや。俺は…当然のことをしただけ」

そう言って、自分を立たせてくれた。

「さぁ、帰ろう。送ってく」

「…でも」

「頼む」


結局、送ってもらうことに…


もう夜になっていた。
全てが闇の中だった。

車に乗り込むと先生は明るい曲を流してくれた。



「…ちょっと…寄り道しちゃう?」


いたずらっ子の顔をしている…

「はい」



…先生の横顔をただ…じっと見ていた…