「あー!あの時かぁ」
お互い顔も名前も知らなかったあの時。
けど、言葉は交わした。


「カッコイイね。けど、もうやっちゃダメだよ」


「はい…ご忠告どうも」

それだけ言って、彼は犯人を連れて歩きだした。

自分は、先生の後ろ姿を見つめていた。
まさか、また会えるなんて思わなかった。
なんて世間は狭いのだろう。

「運命…かな?」

「ですかね」

運命なんて信じて無かったけど、先生とまた会えたことによって、運命を信じることにした。