「宮沢…」

木田先生は、もう一度、鍵を閉めて自分を抱きしめてくれた…

人の温かさ…こんなにも身体に伝わってくるんだね。

「宮沢」

頭をただ撫でてくれた。

小さな子供に、優しくなだめようとする…お父さんみたいに。

「一人で、悩むな。人に頼れ」

頼れ?
無理だよ…

「泣きたいなら、泣け。怒りたいなら、怒れ」


…何かが、心の中から溢れ出た。


「…ッぁぁぁぁぁぁ…」

ただ抱きしめてくれた先生の優しさが…心の中まで温めてくれた。



傷ついた傷口も、いつかは治る。


自分の心も…きっと治るよね…


先生の腕の中で、泣きじゃくった。