宮沢?どうした?

朝から変だぞ?

目を合わせてくれない。

話しかけても反応が遅い。

「どうした?」って聞いても…


「大丈夫です」

それだけしか言わない。
表情も、以前より厳しい顔つきに。

なんかあったか?
俺に話せないか?

高城を投げ飛ばして走った宮沢を俺は追いかけた。


「宮沢!」


あいつは、振り向かない。
あいつは、部室の中に入った。

速いよな、俺でも追いつけなかった。
扉を開ける前に耳をあてた。

「…ぅあ…ッ…」

泣き叫ぶ宮沢の声が聞こえた。

俺は、しばらく宮沢の泣き声を聞きながら空を見ていた。

俺の胸で泣けよ…
宮沢は、声を押し殺しながら泣いた。