要を部屋に連れて行った。


そして、ベッドに寝かせた。


熱が、まだあるみたいだ。




早く治せよ、要。


要の頭を、そっと撫でてから、額に冷たいタオルを当てた。



そして、帰る準備をした。



先生の車の中では、沈黙が続いた。



家に着いて、車から降りると…



「宮沢さん」


「はい?」

呼び止められて、腕を引っ張られた。


唇に、柔らかいのが当たった。



先生の唇だ。



「………」


「おやすみ。父さんをよろしくね」



そう言って、先生は帰って行った。