貴志さんは、ただ黙って聞いてくれた。



「私達が、傍にいるよ?」


一人じゃないんだ。


一人じゃない。周りに沢山の人がいる。


「大丈夫だよ」


上辺の言葉じゃない。


いつも全てを見透かして、いつも避けてきた自分。



けど…今日は…

何も見透かしたくない。


今は、ただ…じっと待ってる。



何度も頭を撫でてくれた。


涙を…ずっと拭きつづけてくれた。



泣き疲れた自分は…
寝てしまった。