「…ダメ?」

「いいですよ?今日だけじゃ嫌なんで…いつでも、どーぞ」




泣きそうな顔をしながら笑った貴志さん。


やっぱり、似てる…



「南ちゃん、ありがとう」


「ちゃんは、いらないでしょう?」


「…!うん。南」


「お父さん」



久しぶりに呼んだ。

一人暮らしの自分に、《お父さん》なんて呼ぶ事はない。



…父親…か。



貴志さんの腕を掴んで、色んな場所に向かった。