「あの…僕…」

「?」

顔を赤らめて黙り込んだ。

ん?何だろう?

「…やっぱり、また今度にするよ…ゴメンね」

「いえ?」


気になるけど…まぁ、いいや。早く帰ろうっと。

「じゃ、送ってくよ」

「大丈夫ですよ」

「送らせて?」


真剣な顔されて…断ることが出来なかった。

「先生って、優しいですね」

直球で言ってみた。

「え?…僕なんかより、優しい人はいるよ」

微笑みながら言った。

「そう…ですか?」

あまりいなさそうだけどね。
木田先生も優しいけど、その優しさってのが違う気がする。




「じゃあ、またね」

「はい。さようなら」

駅に着いて手を振りながら家に向かった。