「僕が偽り?」


「そうです」


貴方も一緒。

「けど、僕は僕らしく生きてるよ?」


「そうですね。貴方は確かに自分らしさがあります」


「君は?」


「出すつもりなんか、ありませんでした」


「でした?」


溝川を睨んだ。


「あんたのおかげで出せそうだよ」


自分は、髪ゴムを取って、眼鏡を取った。

「自分らしさ…ねぇ」
全てをさらけ出す?

そんな面倒なこと、したくなかったよ。



けど、気が変わった。

あんたのおかげでね!