「じゃ、降りようか」

ずっと話をしていたから、気づかなかった。


「はい」



一緒に歩いて気がついた事がある。


先生は、自分と同じ歩幅で歩いてくれていた。



こういう所…先生らしいな。

優しいし…


先生って、自覚ないのかな?


何故、自分がモテるか…考えたこと…なさそう。



そんなことを考えながら学校に着いた。


「要は、まだのようですね」


「そうだね」


部室に着いて、見渡すけど要はいなかった。



鞄を机に置いて、窓を開けた。



ちょっとだけ、涼しい風が入ってきた。



「宮沢さん」

「はい?」


振り向くと…先生が自分の腕を引っ張って引き寄せた。



「先生?」


「…」


変な格好で抱きしめられた。



…暑い。…暑いです。

けど、もうちょっとだけ抱きしめて欲しい…



何故だか、そう思ってしまった。