速水の横にいた朝妻が入り口を覗き込む。

「うわっ、バカ女も一緒にいる。
てか、会長だけじゃ飽きたらず、黒崎先輩にまで手出したの!」

「人聞き悪いこと言わないで!」

琴音が抗議の声を上げると、生徒会室の視線が一斉にそちらに向く。

「あ」

琴音と役員のひとりが、どちらともなく声を上げた。

「来たんだ、琴音ちゃん!」

広報委員長、金井とその隣には居眠り男の倉谷だ。

「なんだ、面識あるなら、紹介はいいね。
じゃあ、座って。
会議はじめよう」

騒がしくなっている生徒会室を速水が仕切る。