そして放課後、生徒会室前。
琴音はドアに手をあてたまま、どうしても開けられずにいた。
というのも、原因は、中から聞こえてくる、一見、女のものとも思える甲高い声にあった。
「絶対、ぜーったい認めませんから、あんなバカ女!」
「もういいだろ、俺が決めたんだから」
続いて聞こえてくるのは、面倒くさそうに返事する、我らが会長、速水だ。
それがただの痴話喧嘩なら、問題なく入ることができるのだが、今の話題の中心は、間違いなく琴音。
どうするべきか、と琴音がため息をついたとき、肩に何か置かれたのを感じた。
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