再び本を持ってきょろきょろ。

室外不出コーナーを探してみるが見当たらず、歩き回っていると、ふと背後から

「それ、隣の書庫の本だから」

後ろを振り返れば、眠たそうに目をこするさっきの男。

「俺やっておくからいいよ。 けどそれ、貸し出し禁止なの知ってた?」

眠たげだが不審な目を向けられる。

「ま、いいけど。 今度から気をつけてよ」

「あ、すいませんでした」

「いいよ。 これで全部?」

机の上にある本の山を指差す。

そうです、と答えると、じゃ、後はやっておくからいいよ。 と言われ、図書室を後にする。


かび臭い図書室から出て、廊下で深呼吸。

新鮮な空気を堪能しながら、教室へと帰ろうとしたときだった。

目の前でぴかっと閃光が走る。

眩しくて目を細める。

一瞬で閃光が収まり、目を開けば、カメラを持った男。