「嘘、同学年? てっきり本当に中学生かと……」
「琴音! 朝妻君は副生徒会長だよ」
美里から耳打ち。
と同時に昨日の生徒会室の会話が頭をよぎる。
「……昨日熱でやすんでた」
「会長から新しいメンバー入ったって聞いてたのに、まさかこんなバカ女だったなんて。
とにかく! ボクは絶対に、認めないから」
朝妻は琴音を思いっきり睨みつけると、さっさと自分の教室へ帰ってしまった。
怒りに足を踏み鳴らして歩く朝妻の後姿を、琴音はただ呆然と見つめていた。
また、面倒くさいことになったかもしれない。
「琴音、なんか面倒ごとに巻き込まれてるね」
今にはじまったことじゃない、と友人にアイコンタクトを送るが、美里にはわからなかったようだ。
ま、頑張れよ、と肩を叩かれると、朝のホームルームを告げるチャイムが鳴った。