隣を見れば例の巨体。

立ってみるとその大きさがよくわかる。

「しっかし、ホントにお前よく寝るよな。
毎朝遅刻してるのに」

「どこまで広がってるんですか、私の噂は」

「藤本から聞いた。
遅刻魔が生徒会入るって」

「……あの風紀委員め」

「女の子だとは思わなかったけど、
仲良くしようぜ、遅刻魔同士」

あまりよろしくしたくないんですが、と言い掛けたところで、見慣れた景色になりかけた。

「あ、俺家ここなんだけど、お前は?」

琴音は先に見える公園を指差した。

「この角曲がったところです」

「……明日から一緒に遅刻するか?」

「……遠慮しておきます」