「いや、ホント悪かったって。
後輩に呼び止められてたんだ。
ドアのことは……覚えとく」

……この生徒会の人間は、人を無視して会話するのが好きみたい。

「あの、黒崎先輩?」

押しつぶされて声も出辛い状況で琴音が呟く。

「うわ、人がいる!」

どうやら思い切り踏んづけていたにも関わらず、黒崎という大男は気づいていなかったらしい。