またやっちゃった。 風紀委員がきちんと整列する校門を前にして鵜月琴音は立ちすくんでいた。 ダッシュで駆け込めば本鈴には間に合うものの、 入学して一週間しかたたない琴音の遅刻回数はすでに三回。 完全に風紀委員に目を付けられているため、今校門に突っ込めば、お説教は免れない。 それだけは勘弁、と横を見ると、 フェンスの隙間を猫がするっと通り抜けるのが見えた。 「これだ!」