流れた涙をすぐに袖で拭いボソッと『大丈夫』と呟く青空。
「あのな鼻声で言われても大丈夫だと思えねぇから」
がしがしと頭をかいて大丈夫と言った青空を見下ろす、確かに見た感じでは普通に見える。
「手ぇかせ」
「…………?」
リオンに言われた通り手を差し出すとリオンの大きな手に包まれ、もう片方の手で額ごと目を覆われ視界が真っ黒になった。
「な、何?」
「いいか、ここにはお前を傷つける奴は居ない絶対、だから怖がるな大丈夫だから」
何時もより穏やかに聞こえる声、額に触れる手の平に先程まであった寒気は吹き飛んでいた。
「落ち着いたか?」
「うん」
両手を離し確認する様に聞くと青空はガクンと首を振って頷く。
「後30分ぐらいで街に降りるから準備しとけ、あぁそれと」
離された手に寂しさを感じつつ青空はリオンの言葉を黙って聞いていた。
「街に降りたら一人になるなよ、俺の傍にいろ面倒臭せぇ奴等が街に居るからよ」
リオンの意味深な言葉に首を傾げる青空だった。