「無駄にあちこちぶっ放してんじゃねぇぞ」
再び拳骨をアルタの脳天に落としてリオンは部屋を出て行く。

「おらっ行くぞ」

中々出てこない青空を急かし、青空は落ち込んで顔を伏せるアルタをそのままにしていいのか解らずリオンとアルタを交互に見るが待つ事に痺れを切らしたリオンが青空の腕を掴んでズカズカと部屋から出て行った。


「ほっといていいの?」

「少し頭冷した方がいいんだよ、あいつ自分の容姿がコンプレックスだから可愛いとか女みたいとかその類は地雷なんだ」


部屋から離れ、いつの間にか腕は離され並んで二人は歩いて居た。

「しかも何処行っても女みたいだとかで馬鹿にされて中々馴染めずにいたから、すんなり女のお前が此所の仲間入りして歓迎されてんの見て気に食わなかったんだろ」


「私だったら、ひ弱とか言わせて油断してる空きに馬鹿にしてる奴等ぶちのめすけど」


青空の言葉に少し呆れながら頷く。

「あいつにお前みたいな図太い神経の持ち主だったらいいんだけどな」