「おー怖い怖い」


迫り来る剣を左、右にと軽々と避けながら青空は未だに攻撃の手を緩めない少年?いや少女?…………少年から視線を一瞬逸らす、流石に広い廊下と言えど食料庫の前での流血は避けたいし先程からガルドからの視線が痛い。

そろそろ戯れあいも終了だろう。

「もう止めてくれない?」


ニッコリと丁寧にお願いしたが、余裕で切っ先を避けるのが気に食わないからか更に意地になって剣を振り回す。


「あーもう」

中々止めてくれないので溜め息を一つつき切っ先が青空の左頬を過ぎる、そのまま前に踏み込み剣を持っている左手首を掴むがその細さにギョッとする、予想以上に細くて青空の手でも一周出来てしまうぐらいだからだ。


しかし驚いている暇も無く、掴んだ左手首を上に上げ、懐に入り肘鉄を腹に決める、少年?はうっと呻いて持っていた剣を落とし青空はそのまま丸腰になった少年?を背負い投げて床に叩き付ける。


「おー見事見事」



側で見て居たガルドはパチパチと拍手をしながら床に転がった剣を広い上げる。