「いつつ」
のそりとベッドの上で蹲り暫くしてゆっくりと起き上がる、長い黒髪がカーテンの隙間から入り込む光りによって微かに艶やか黒光りする。
「………ここ………何処だ?」
寝ぼけ眼で見知らぬ部屋に居る状況に若干焦る。
「あぁ…思い出した」
ベッドのすぐ側にある窓のカーテンを思いっ切り開けて太陽の光りを全身に浴びる窓の外に広がる世界は見慣れた庭では無く、水彩絵の具を全面に広げた様な澄み渡る青と真っ白でモクモクとした雲、時折遠くで鳥が飛んでいるのが見え、少女は異世界に来た事を思い出した。
「しかし、何なんだ昨日のドンチャン騒ぎは」
ベッドから降り、んーと腕を伸して体をほぐし、借りたパステルカラーのチェックのパジャマからこちらに来た時に着ていたセーラー服に着替えながら昨晩の歓迎会もとい大宴会を思い出す。