「う、五月蠅いなぁ」
今のでご機嫌ななめになった。
思い切り眉間に皺を寄せてフィードを睨むが全く気にせず本人はベッドにいる少女の腕を掴んで無理矢理、部屋から連れ出してしまった。
「ちょっ何処に行くの!?」
「今日はパーティー♪美味しい料理が待ってるよっ♪」
少女の疑問はフィードの中で右から左に流れ、謎のメロディに乗せ即席で作ったであろう歌詞を口ずさみながらフィードは少女の腕を掴んだままスキップしている、少女は訳も解らぬまま連れ出され、これから何が起こるのだろうかと若干不安になる。
「とーちゃーっく!!」
辿り着いた先は甲板で、空は日が沈み深い濃紺色に染まり星が瞬き始めた。
甲板には大勢の仲間がガヤガヤと賑やかに動いていた。
木製のテーブルが何個も並び、その上には豪快に盛り付けされた料理や何リットルも入ってそうな木製の樽やらがあり、何かお祝い事でもやるんだろうかと首を傾げた。