「くそぅホームシックに浸る暇も無い」

心なしか緊張して心臓がバクバク言って居るのを無視して愚痴る。

「おうデッケェ荷物運んでんな」


ふいに声がし顔を向けると、そこには先程別れたジェイルが愉快そうに笑っていた。

「この馬鹿がなかなか来ないから無理矢理でも医務室に連れて行こうとしたがその前にダウンしたか」


担がれているリオンを見て言うジェイルの言葉に少女はギクリと心臓が跳ねる


止どめを刺したのが自分ですとは言い辛い。

「にしても毒の回りが早いな」

やはり専門家の目は誤魔化せないのか、ジェイルの判断した毒の症状とリオンに起きた毒の症状が違うからかジェイルは何故か神妙な面持ちでぶつくさ言いだし、それを側で聞いていた少女はだんまりのまま冷や汗を掻き出した。


「……あのぅ」



言い辛そうに少女は口を開く。