やはり最後の少女のパンチが効いたのか霞み始めた視界でリオンは根性で立ち上がりこれ以上無理は危険だと判断したからか素直に医務室に行こうか考え出した。

未だに握られている手に視線を移せば少女が何やらリオンの前に立ちニヤリと笑う、一瞬その意味深な笑みを理解する間も無く視界と意識が闇に落ちた。








「うぅ無駄にデカい図体して運びずらいったらありゃしない」

と悪態を吐きながら少女は今さっきなかなか医務室に行かないリオンを気絶させ背負い、長身だからかズルズル引きずりながら一歩ずつ医務室に向かい歩き始めた。


重いのを運ぶのは慣れて居るからかバランスを取ればそんなに苦では無い、がそれが物だった場合だ、人は又別の話になる、それが思いの他見てくれが良かったら尚更だ。


少女はちらりとリオンの顔を見る、伏せられた長い睫毛が影を落とし頬を撫でる項まで伸びている白銀の髪はサラサラで肌触りが良い、呼吸するのに薄く開いている唇………………色っぽいのは何故だろう。