慌てて飛び出した少女はもう随分先に行ってしまったリオンの遠くても目立つ白銀の髪を見つけて走り出した。
自分のせいで傷付いたと知りほって置けなかったのだ。
「ねぇ大丈夫!?」
ようやく追い付き乱れた呼吸を数回深呼吸して整えてリオンの隣りに並んで歩く。
「デカい声だすな」
ちらりと少女を見下ろす、無表情だがその顔色はお世辞にもとてもいい顔色ではなかった。
「ねぇ大丈夫?」
今度はちゃんと声量を抑えて心底心配している顔で訪ねる。
「何なんだよお前は」
「だって心配じゃん私のせいで受けた傷なんだから」
「お前のせいじゃない、大丈夫だから気にするな」
顔色を青くしたまま言っても説得力は皆無である。