「因みに俺は前の部屋だから、何かあったら聞け」

ぶっきらぼうに言えばリオンはさっさと部屋から出て行ってしまった。

心なしか顔色が悪い


「うわぁ、ありゃ相当きてますね」

「だろうな」



フィードとハイドの会話に着いて行けない少女は首を傾げる。


「ほら君を助ける時にナイフ素手で掴んだでしょ、あれ毒が塗ってあったらしいんだよね」

「はっ!?」


フィードの言葉に聞き捨てならないと思い切り食い付く少女。

「アイツ解毒薬を他の怪我した奴に回せって未だに治療して無かったんだよ」

ハイドの言葉に眉間に皺を寄せて顔をしかめ溜め息を吐く。

「ば……馬鹿じゃないの!?」

「あぁアイツは馬鹿だ」

「仮にもキャプテンなんっすからハイドさん」

「ウルセェ」


「ちょっと行って来る!」


少女は慌ててリオンを追う様に部屋を飛び出しカンカンカンと音を立てて走って追いかける。

「まさか女をここに乗せる事になるとはな」
「まぁしょうがないっすよ、キャプテンの話しじゃ次期神様らしいじゃないっすか」

「んな怪しい話し信じるかよリオンだって信じてねぇし」

「けど俺、命助けられましたし、何より神の遺産を所持してる辺り神に近い人物なのは違いないっすよ」