ゴンッ!
「イダッ!」
突然振り下ろされたリオンの拳が少女の脳天に直撃し頭を押さえてベッドの布団に顔を埋める、ちょっぴり痛さで目は潤んでいる。
「何すんのよー」
ギリギリと睨み上げそれを睨み返すリオン。
「ウルセェ、阿呆ずらでこっち見てくんじゃねぇよムカつく」
「なにその理不尽な理由!今ので脳細胞千個ぐらい死んだわよ!どうしてくれるのよ!!」
「知るか」
「かぁーー!!腹立つ10発ぐらい殴らせろ!!」
今にも殴りかかりそうな少女に片手で頭を押さえ付けるリオン、腕が長いせいか少女が腕を伸ばしても掠りもしない。
「あー戯れてる所悪いんだが」
こほんと咳払いをしてから二人の間に割って入るハイド、その隣りにはいつの間にか復活した青年フィード。
「戯れてねぇ」
ハイドの言葉にあからさまに不機嫌になりながら頭を押さえ付けていた手を退け、自由になった瞬間に少女の拳がリオンの右の頬に直撃し再び戦火の火蓋が切って落とされた。
その後暫く少女とリオンはハイドとフィードが止めに入るも取っ組み合いの喧嘩に発展し医務室が目茶苦茶になったのは言うまでも無い。