『いきなり人の生命に働き掛けるのはいかがなもんかの~』
「うっさいな」
真白、ただ白い空間に声のみが響く
「それよりも家に帰りたい、今日見たかったドラマの再放送があるのにー」
心底残念そうな声がしその声にポワンと一人の白い顎髭が豊かで頭の髪は寂しい老人が白い空間に現れた。
『お嬢ちゃんが儂の後を継いでくれればお嬢ちゃんの意思でいつでも行き来出来るんじゃが』
老人は顎髭をいじりながら言うが突如少女も現れぐわしと顎髭を鷲掴みされた。
「んなん知るか早く帰せ、ハーゲン●ッツが溶ける」
『残念じゃあ~あれ儂が全部食べてしもうた、クッキークリームが一番じゃったな』
「なっ!嘘でしょ!!」
信じられないと声を張り上げ髭を握っていた手に力が入る。
「ちょっと、頭の髪マジでぶち抜くけど」
それは嫌じゃなぁと呟けば老人は再びポワンと消えてしまった。
『安心せい、あそこはハーゲンダッツよりも美味しい物が沢山じゃ』
「何処行くの!!」
『家に帰るんじゃよ』
「じゃあ私も家に帰してよ!」
『無理じゃ、世界一周すればお嬢ちゃんも好きになるじゃろ、じゃ達者でな』