「ハイド」
「まぁお前の考えも解らない事も無いが」
「俺らは女一人に働かせて仲間を見捨てるそこまで非情な奴か?」
「さぁな、しかしあそこまで意地になってやってる姿を高みの見物はあまり良い気分じゃないな」
ハイドとリオンと呼ばれていた男は二人とも溜め息混じりに言葉を返し少女を見れば中々止らない血に泣きそうな顔で必死に呼び掛けている。
「もう諦めろ」
「嫌だ!」
諦めろと言う言葉に反射で反抗し、その時我慢していた涙がポロリと零れ、白い肌を滑り落ちポタリと床に滴る。
床に涙が触れると同時に床が光り出した。
「なっ」
「諦めるなんて出来ない」
その場にいた全員が突然の出来事に驚くが少女は全く気付いて居ない。
光りが濃縮するように集まり、床を滑る様に走り、無数の魔方陣が描かれていく
辺りは徐々に強くなる光りに照らされ、眩しくて目が開けられないくらいになった。
「アタシが次の神様ならこの人助けてよ」
光りの中、リオンは少女のか細い声が微かに聞こえた。