「リオン」
「何だ?」
突然声がし耳を抑え顔をしかめたままで振り向けばハイドと呼ばれていた男がそこで神妙な顔でそこにいた、深刻な自体だと理解したのかリオンと呼ばれた男はすぐに表情を変えた。
「フィードがまずい」
返答もせず、すぐに男は歩き出した。
ハイドもそれに後から付いて行き、残された少女はどうしようか迷いすぐに二人の後に着いて行った。
行き着いた場所には人だかりが出来、ざわめいていた。
人を掻き分け和の中心に辿りつきそこで目にしたのは血塗れで倒れている一人の男の姿だった。
「フィード」
辺りを自らの血で染めたフィードと呼ばれる男に先に来ていた二人が近寄る
「さっきの……」
人垣の隙間から見ていた少女は男が戦いの中目の前に倒れて来た男だと知り不安になる、あの時はまだ血色もよく温もりもあったが、今は顔色は青白く呼吸も浅い。
死が近い、とその場にいた誰もがそう思った。