クルクル数回、回転しナイフはダンッと音を発てながら床に突き刺さる。

ナイフを持っていた敵はすぐに次の獲物を出そうとするが、少女は間を空けずに拳を男の顔面にお見舞いする。
顔面パンチをくらった敵はそのまま床に伏せた。


「ばっかじゃない!敵に背中みせる奴が居る!?」



クルリと男の方を向き、少女はかつて自分もしょっちゅう怒られていた時の事を思い出し、吹き荒れる風の音に負けないように声を上げる。


男は少女の予想外の行動に目を見開いて床に転がる男と少女を順に見つめる。


『リオン』


そんな時、再びピアスの飾りから声が男の耳元で響いた。