「誰が行くか!」
拳を握り構えて向って来る男達を睨む、さぁ来いと意気込んでいたら横から鉄拳が飛び出し男の頬にめり込み呆気なく吹っ飛ぶ、瞬きする間に次々と襲いかかろうとした男達は床に伏して撃沈していた。
「お前は、じっとしてろって言わなかったか?」
今まさに右腕一本で何人もの男達を倒した白銀の男が青筋浮かべて少女を見下ろしていた。
「だ、だってしょうがないでしょう!急に人が倒れて来てびっくりしたんだから!!」
「だからってな、邪魔なんだよ」
少女は思わず今までの恐怖を男に解って貰いたいからか着ているシャツの裾を握ってブンブンと揺さぶが、男はうっとうしくすぐに振り払い溜め息混じりに少女に言う。
「いやごめん!けど私なんかに構わなくて大丈夫だからあっち!やばいって!!」
少女の呼び掛けに全く無視し男は更に眉間に皺が寄る。
「だったらちゃんと大人しくしてろ!」
声を張り上げて言うが少女はそんなの無視して男の背後を指差す。
「敵が来てるって!!」