「何だ……こいつ」


突然入ってきた細長い生き物は青空の回りを楽しそうに飛び回っている。


そんなおかしな絵を皆がポカンと口を開けて見ていた。


「なんか懐かれちゃって」


ハハハ~と笑ってみても可笑しな空気は変わらない、しかし可笑しな空気を割って入る様にフィードが話し始めた。


「えーとですね、みんな驚かないでください」



そこで言葉を切りフィードはチラリと細長い生き物に視線を移し指を指す。



「あれ龍です」



「「「……………」」」



更に沈黙



皆が今度は目をひん向いて異様な視線で青空をいや龍を見つめていた。



「龍ってそんな凄いの?」


向こうの世界でも龍なんて幻想のお伽話の中に出てくる空想の生き物だけれども、何も知らない青空にとってはこっちに来てから有り得ない生き物ばかりに遭遇しているから龍ぐらいでは驚かない。




「龍は神の遣いと言われている」



静かにリオンが話し始めた。