「リオンーー!!!」
何度も呼ぶが辺りに響くだけで変化もなく、ただ喉が枯れるだけだった。
どうすればいいのかも解らずただ焦りだけが湧いてくる。
「みんなぁ」
「呼ばれて飛び出てー」
「はっ?」
「ぱんぱかぱーん」
場違いな陽気な声に青空は俯いていた顔を上げ目に飛び込んで来たのは、この世界に無理やり連れてきた頭が禿散らかったおじいちゃんがのんびり釣りをしていたのだ。
「ちょちょちょっと」
「なんじゃ?突然の再会に言葉も出ないかい?」
「違うわっ!なんでおじいちゃんがここにいんのよ」
「なんでってなぁ」
んーとおじいちゃんが唸りながら首を傾げ釣り竿をくいっと引く、するとおじいちゃんを中心に闇が晴れていく。
「ここ儂の庭じゃからな」