「よぉ白獅子随分遅かったじゃねぇかよ、俺等にびびって来るの躊躇ったか?」
偉そうに仁王立ちして挑発的に投げつけてくる言葉にリオン達は呆れ顔で居るばかりだった。
「てめぇの汚ねぇ字のせいで解読すんのに時間かかったんだよ、もっかいガキの頃からやり直せ」
リオンはなぜバッファが毎度毎度、自分にボコボコにされているのにあの自信はどこから来ているのか不思議で仕方なかった。
「ふっ偉そうにしているのも今のうち、こっちにはお前の大事な女が居るんだからな!」
そう言いバッファはすらりと鞘から抜いた剣をアルタの首筋にあてる。
「そいつ男」
「……………」
「嘘だ!!」
「嘘じゃねえよ、ちゃんと付いてるもん付いてる」
さらっと言うリオンにバッファは恐る恐る手を伸ばす。
「……………男だ…」
「オレもうやだ」
日が沈みはじめ辺りはオレンジ色に染まり始めた頃、アルタの鼻をすする音が響いた。