事務用デスクが2つ並んでいる。

その上には電話が3台、デリホスのスケジュールの管理やメールを送る為のパソコンが置いてある。

そこに座っているのは、電話応対やスケジュール管理、事務をこなす女性が一人。

シワのない白のブラウスに黒の膝丈のタイトスカート。
ナチュラルブラウンの長い髪を一本の後れ毛もなく、後ろで一つにまとめている。

薄い化粧だが、細い金ぶち眼鏡がキツイ印象を与えていた。

商品の青年達は彼女を『木村さん』と呼んでいた。

なかなかの美人なのだが、常に事務的な対応で、彼女がいなければこの店は切り盛りできないと言われる程仕事が出来ることから、青年達からは一目置かれていた。



その部屋から左右に二つの扉が他の部屋へと続いていて、右の扉を開けると滅多に来ないオーナーの為の通称『オーナー室』。

左の扉の奥の部屋は売り上げを持ってきた青年や気紛れに訪れた青年達の為の『待機室』になっていた。

6畳ほどの待機室には座り心地のよいソファ、パソコン、テレビやゲーム、冷蔵庫があり、冷蔵庫の中にはソフトドリンクからアルコール、ちょっとしたツマミも入っていた。