「美人ですね」

聖の発した感想に、彼女は部屋の暗い照明でもわかる程に顔を染めて俯く。

聖はその新鮮さに戸惑いながら金で買われるデートの確認をとった。

「ご利用ありがとうございます、ミスズさん。料金システムは御了承済みでしょうか?」

小さく頷く本日の客、ミスズに聖は笑顔で頷き話を続けた。

基本料、延長料、キスにお金がかかることを説明する。

ミスズは頬を染めながら頷いていた。

最後に…と聖はミスズを真っすぐに見ながら口を開く。

「オプションについては貴女から指示があれば時間内ならいたします。料金はキャッシュのみ…後払いでお願いします」

そこまで言うとミスズはハッとしたように鞄から封筒を取り出した。

そしてそれを聖に差し出す。

「何ですか?」

そう言って受け取った聖は中身を見て驚いた。

封筒の中には1cm程の厚みをもった紙幣が入っていた。

「あの…後払いでいいですし、これじゃあ多すぎです。それに俺…」

ミスズが何かを言おうとしたが、聖は一気に続ける。

「体は売りませんし…」