途中で辞めたのかな？
疑問に思いながら、ヘウ"ンはカップを手に取る。そして、行った事のないキンブリットの街に思いを馳せる。
「いいなー。私も行きたかったなー。どうして言ってくれなかったんだろ」
ヘウ"ンの言葉にビオラが小さく笑顔を浮かべながら答える。
「今回はバース一人にしてやってよヘウ"ン」
「え？」
「今日はね、バースの大切な人の命日なの。バースはその人に会いに行ったから、一人のがいいと思うの」
「そうなんですか」
バースの大切な人って、前に言ってた友達の事かな？
だとしたら、やっぱり一人のがいいのかもしれない。
『私が殺した』
王女の護衛の任務の時を思い出す。
生徒を殺して扉を閉めた。
バースはそう言ってたけど、ヘウ"ンは信じていない。バースがそんな事する訳がない。
とても強い神人なのに。