その瞳は本気だった。鳥肌が立つほど。
ルナが立ち去った後、バースはその場に座り込んだ。
信じてくれるとは思っていなかった。分かっていた。
でもそれを改めて分からされると、やはりショックを受けるし、キツい。
と、うなだれているバースの側に、さきほどの子供が近付いて来た。
「姉ちゃん大丈夫?」
心配して声をかけてくれる。この子供達はバースの犯した過ちを知らない。こんな子達ならいいのに。
バースは子供の頭に手を置く。
「大丈夫だよ」
見せた笑顔が無理をしているという事は、バース自身も分かっている。
「大丈夫だ…」
この結界さえ無くなれば帰れる。
この結界さえ…。