バースとジュリアは列車に乗り込み、発車するのをのんびりと待っていた。
「あー、やっと帰れる」
ジュリアが身体を伸ばしながら言う。バースは肘掛けに肘をついてため息を漏らす。
「まったくだ。こんなに時間食っちまって、任務も出来なかった」
「そういえばバース、ルナに会った？」
「いや、会ってねーよ」
「そう…バースに会いに行ったと思ったのに。いいの？お別れ言わなくて」
「別にいいよ。もう列車も出るだろうし」
別れの挨拶をしなくてもまたいつでも会える。だからいちいち挨拶する必要はない。