「おい、どうしたんだ?」
「こいつらが列車は出せないなんて言うんだ!」
客は顔を真っ赤にしながら声を荒らげる。バースは次に駅員に詰め寄った。
「列車が出ないってのはどういう事だ?私はすぐにでも帰りたいんだが」
困ったように駅員は答えた。
「それが、キンブリット全体に、理由の分からない結界が張られておりまして、街から出る事が出来ないんですよ」
「結界?」
眉を寄せバースは呟いた。
街全体に結界なんて張れる訳ないだろ。
結界を張る側のバースは簡単に考えた。そして、それを見る為に街の入口に向かった。
列車が出ないとセイカに帰る事も出来ないし、この客も本当に駅員を殴ってしまいかねない。
「面倒くせぇな」
だが、バースは本当に帰る事が出来なくなってしまう。