「……」
だけど何も起こらない。恐る恐る目を開けると、バースがルナの側で崩れ落ちていた。
「バース…?」
呼び掛けるとバースは弱く呟いた。
「私は…もう戻れない…」
「バース」
「人を殺した…。だけど、先生だけは殺してない」
「!」
顔を上げたバースは泣いていた。バースは苦しいんだ。苦しくて、自分を制御出来ていない。
「バース」
ルナがバースに触れようとした時、バースが立ち上がる。
「私はこの世界を変える。神人を変えてやる」
その意味は分からなかった。でもこのままバースを行かせてはならないと本能が告げる。