それだけを言ってルナはどこかに行ってしまった。
気を付ける?何に?周りの目か?ふざけんな。
バースは怒りに震える拳を必死に抑え、ルナの背中を見つめた。
「あの時やっぱり殺っとけば良かった…」
「何を?」
背後から先生が顔を出し言う。
「……」
どうやら先生はルナの存在に気付いてないらしい。それは助かった。
「どうしたの?」
心配そうに見てくる先生から視線を外し、バースは小さく言った。
「何でもない…」
余計な事は言わなくていい。