「なつみ、一緒帰ろー」
「あっ、うん、ちょっとまって。」
愛利に言われて、かばんに荷物を入れる動作を1.5倍早めた。
「よしっ、愛利帰ろう。」
準備も全部終えて、愛利の背中をポンッと軽く叩いた。
「よし、帰ろ帰ろ。」
歩き出す愛利。あたしもおんなじ速さで歩いていく。
チラッ
後ろを一瞬振り返る。
そこにわ―…
友達と楽しそうにはしゃいでる隆哉。
今日も何も無かったな。
小さくため息をついてみる。
あの日から一週間。
『友達以上になりたい』そういわれたけど、一切変わったことわない。
しいて言うなら、あたしが前よりもさらに隆哉の前じゃどきどきしちゃうってことくらい。
それ以外わなにも。
「なつみがさぁー、今度遊び行こうって誘えばいいんだよ。ねっ?」