「さぁ!着いたわよ!!」

神田のお母さんの声でみんな一斉に車から出て、神田のお父さんがそれぞれの荷物を手渡していく。

「家内が無理を言って
すまないね。」

「いえ、こちらこそ…」

「お姉ちゃん!行こ〜」

振り向くと雪君が元気いっぱいに手を振っている。

「香弥乃ちゃん、私たちはお客じゃないから母家に泊まるけど温泉には入り放題だからね!」

「あ、はい。」

温泉かぁ〜ちょっと楽しみかも


「ちなみに、露天からみる夜空は最高だからお祭りの後に入るといいわ!」

「分かりました。」



それから、母家に着いて
まず、いとこ達を紹介された。その後は神田の課題を終わらせるのに協力してたら、何故かいとこ達も課題を持ってきたから纏めて見ることになった。



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「ん――♪やっぱ女の子の浴衣姿は最高ね♪」

「はぁ……。」

現在夕方6時。
祭り開始まで後30分。
私は浴衣を着せられていた。

「帯キツくない?」

「大丈夫です。
ホントにお借りしていいんですか?」


「勿論よ♪」


浴衣は綺麗なピンクにたくさんの花が咲いていた。

「支度出来た?そろそろ行くよ。」

襖の向こうから神田が声をかけてきた。


「あ、うん。
あの……」

「行ってらっしゃい。
私も後から夫と行くから。」

「行ってきます。」

襖を開けると既にみんな甚平姿で待っていた。


あれ…?みんななんで呆けてんの??

「待たせてごめんなさい。」


「あ…いや、いいよ。
じゃあ、行こっか。」