「…!?え、弥生さんって、西高の人だったんですか!?」


陸がなっちゃんの着る制服を見ては、驚きの表情を隠せない様子だった。


しかも、驚いているのは陸だけじゃない。

あたしも健もその中の一人だ。


「えっ、捺来、お前顔広いな…ッ」


「えっ、陸となっちゃんって知り合いだったの!?」


あたしと健の質問攻めに、なっちゃんが頭を抱えた。


っていうか、これ、どういう事!?


「さっき、上でみたとき、服は見えなかったから、アレだったけど…」


「ねぇ、陸、なっちゃんの事どうして知ってるの!?」


あたしは陸の肩を揺さぶった。

どうせ、なっちゃんは面倒くさいとかいう理由で教えてくれないであろう。


「弥生さんは、俺の…」

「言うなっ!」


なっちゃんが、大声を出し、陸の言葉を遮る。


なっちゃんの大声は、周りの人達には賑やかな声とともに消えてしまったようだ。


だけど。

あたし達は、ハッキリと聞こえたのだ。


「え…?」

なっちゃんの低い声に、あたしはただ驚きを隠せなかった。



「弥生さん…ッ!」


「もう…、何も言うな!」


なっちゃんの額に汗が生じたのを、あたしは見えた。



「…捺来?お前…ッ」


「央…」


なっちゃんがあたしに視線をうつした。