なっちゃんの言葉が正論すぎて、反論する術もない。



あたしは多分…。


なっちゃんと出会って以来、ずーっと濃厚な人生を歩み続けていたのだ。


まるで、急坂を自転車で下るような猛スピードで。



それはきっとなっちゃんもそう感じている…と思っていた。


そう思っていたのに。


なっちゃんにとってあたしはただの他人なのだ。


関係なんて、ないのだ。


一人だけ、なっちゃんを必要としていただなんて…。


自分が酷く惨めすぎる。



「だからって、でも、いきなり避けないでよ!」


「意味がわからん。大体、あんた俺の何なん?」


なっちゃんの口から放たれる言葉が、胸に鋭く突き刺さった。



「……でもさっ」

「俺の兄貴が好きだからって、俺を利用しようとすな!俺は便利屋やない!」


あたしが、なっちゃんに近付く理由ってあたしが桜庭海斗の大ファンだから?


……初めはそうだった。


でも、今は。


今は、そんなバカらしい理由なんかじゃない…ッ。


「そんな理由じゃないよ!」

「嘘つくなや!じゃあ何やねん!」





「あたしはなっちゃんが好きなんだよッ!」