その間は沈黙が流れた。



私はずっとうつむいたまま。



海村もきっとうつむいてるだろうなぁ…。



靴箱についた。



「じゃぁ、私帰るね!部活がんばってね!」



私は沈黙を破って言った。



靴を履き替えて歩き出そうとしたとき



「林…」



海村に呼びとめられた。



「俺のこと、もう”海村”って呼ぶなよ」



「え…」



「”真咲”って呼べよな……朱華…」



私はすごく嬉しかった。



下の名前で呼べるってことだけじゃなくて



私のことを”朱華”って呼んだことが



一番嬉しかった。



「…うん!また明日ね。……真咲…」



私はちょっとテレながら名前を呼んだ。



「おう…。じゃあな。」



真咲は走って部活へ行ってしまった。




ちょっと顔を赤くして。